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犬と猫の白内障について|目が白く濁っていたら白内障かもしれない

白内障は、目の中でレンズの役割を果たす水晶体が白く濁る病気です。視力の低下だけでなく、ぶどう膜炎や緑内障など他の眼の問題に繋がるリスクがあります。

また、犬にはこの病気がよく見られますが、猫にはあまり一般的ではないものの、猫に発生した場合も注意が必要です。

 

今回は犬と猫の白内障について、症状や治療方法、予防方法などを詳しく解説します。

 

 

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

 

原因

主に先天性後天性の二つの原因に分けられます。

先天性白内障は遺伝的な要因が影響しており、トイ・プードル、柴、チワワ、ミニチュア・シュナウザー、コッカー・スパニエル、ビーグル、ジャックラッセル・テリアなど、特定の犬種に多く見られます。

 

一方、後天性白内障は老化によるものや、糖尿病など全身の病気、目の疾患、怪我などが原因で起こります。

特に老齢性白内障は7歳以上の犬で発生しやすく、猫の場合は怪我による白内障が多いとされています。

 

症状

症状の進行は「初発」、「未熟」、「成熟」、「過熟」という4つの段階に分けられます。

初発白内障
この段階では水晶体の白濁が15%未満で、ほとんど視力の低下は見られません
愛犬や愛猫の目にわずかな白い影が見え始めるかもしれませんが、日常生活において大きな影響はありません。

未熟白内障
この段階では水晶体の白濁が15%以上になり、見えにくい状態です
物にぶつかることが増え、不安定に歩く様子が見られます。

成熟白内障
ここでは水晶体がほぼ完全に白濁し、普通に見ることが難しくなります

過熟白内障
最も進行した段階で、水晶体が融解し、脱臼することがあります。
これは痛みを伴い、重篤な炎症や他の眼の病気を引き起こす可能性があります

これらの症状は、愛犬や愛猫が通常と異なる行動を取ることで気が付く飼い主様も多くいらっしゃいます。また進行すると、攻撃的になることもありますが、これは視力の低下や失明による不安とストレスの表れといわれています。

 

診断方法

犬と猫の白内障の診断は、主に以下のような専門的な眼科検査によって行われます。

問診
まず、飼い主様から動物の日常的な行動や最近の行動の変化について詳しく伺い、見えにくさを示唆する行動の変化や、目への反応の変化などを確認します。

視診
目を直接観察し、水晶体の白濁の有無やその程度、目の外観の変化、充血や涙の量の変化などを確認します。

スリットランプ検査
スリットランプという特殊な顕微鏡を使い、角膜、前房、水晶体、ぶどう膜などの眼の前部構造を細かく検査します。これにより、白内障の進行度や関連する目の異常を特定できます。

眼圧検査
緑内障など、違う眼の病気の有無を確認するために、眼圧を測定します。白内障は緑内障を併発することがあるため、これは重要な検査です。

超音波検査
目の内部構造を詳しく調べるために、超音波検査を行うことがあります。これにより、水晶体脱臼や眼内出血など、目に見えない内部の異常を確認できます。

血液検査
白内障が全身疾患に関連している可能性がある場合、血液検査を行います。

これらの検査を通じて、白内障の有無、その原因、進行度、治療計画を立てるための重要な情報が得られます。そのため、白内障の疑いがある場合は、検査を早めに行うことが重要です。


治療方法

治療方法は、病気の進行度や動物の全身の健康状態に基づいて異なります。
初期段階の白内障では、眼圧を下げる点眼薬や抗炎症薬、抗酸化剤を含むサプリメントによる内科治療が一般的です。これらの治療は、白内障の進行を遅らせることを目的としております。

一方で、進行した白内障の場合や、視力に重大な影響を及ぼしている場合には、外科手術が選択されることがあります。水晶体を摘出する手術レンズを置換する方法があり、視力の回復を目指して熟練した獣医師により慎重に行われます。白内障治療後には定期的なフォローアップが必要で、眼圧のチェックや手術後の回復状態の確認が行われます。


予防法やご家庭での注意点

白内障を予防するには、万全な方法があるわけではありませんが、愛犬や愛猫の目を守るためにできることがいくつかあります。
特に糖尿病は白内障のリスクを高めるため、適度な運動と共に適切な食事管理を心がけてください。

また、遺伝的に白内障が発症しやすい犬種には、小さい頃から定期的な眼科チェックをお勧めします。


まとめ

白内障の場合、目が白くなって視力がわずかに低下することもあれば、急速に悪化してぶどう膜炎や緑内障を引き起こし、最終的には眼球摘出が必要になることもあります。

 

早期に発見すれば初期段階で治療を開始できますので、若い時期であっても目が白っぽくなったり、物にぶつかりやすくなったりする変化が見られた場合は、早めにご来院ください。また、定期的な眼科検診は早期発見に役立ちますので、1年に1回は受けるようにしましょう。


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