犬や猫の避妊手術について|メリットやリスクを解説
愛犬や愛猫の健康は、飼い主様にとって何よりも大切なものです。そんな愛犬や愛猫が健康で長生きするためには、避妊手術が重要な選択肢の一つとなります。
避妊手術はただ単に未然に妊娠を防ぐだけでなく、多くの健康上のメリットをもたらします。
今回は、犬と猫の避妊手術に関して、メリットや注意点について詳しく解説します。
■目次
1.避妊手術とは
2.避妊手術のメリット
3.避妊手術のリスク
4.手術前の準備
5.手術後の生活
6.災害時の同行避難における避妊手術の重要性
7.まとめ
避妊手術とは
避妊手術とは、メスの生殖能力を失うように卵巣、場合によっては子宮も取り除く手術のことです。
この手術をする最適なタイミングは、犬や猫の種類、健康状態、さらには個体差によって異なりますが、一般的には初めての発情を迎える時期である、生後6ヶ月前後で避妊手術を受けることが望ましいとされています。
避妊手術のメリット
避妊手術を選ぶことの最大のメリットは、望まない繁殖を防げることです。
また避妊手術は、特定の病気のリスクを軽減する効果もあります。例えば、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症、卵巣の疾患など、生殖器に関連する病気のリスクを大幅に下げられます。特に、早期に手術を受けることで、乳腺腫瘍のリスクを大きく下げることが可能です。
さらに、発情期に伴うストレスや問題行動の軽減にも繋がります。
猫の場合は、発情期の鳴き声やマーキング(特定の場所に尿をする行動)のようなストレス関連の行動を抑制できます。
犬においても、生理や偽妊娠に伴うストレスを軽減できます。
避妊手術のリスク
避妊手術は多くのメリットをもたらしますが、手術にはいくつかのリスクや注意点も伴います。
手術には全身麻酔が必要となるため、麻酔に関するリスクが伴います。ただし、麻酔によるリスクを最小限に抑えるために事前検査を行い、手術中のモニタリング装置の使用や、犬や猫の年齢や既往症に配慮した麻酔薬の選択も行われます。
避妊手術後のもう一つの考慮点は、ホルモンバランスの変化により、避妊手術後に体重が増加しやすくなることです。
特に成長期には、食事制限をせずに通常の食事を与えているため、手術後も同じ量を与え続けると、体重が増加するリスクがあります。これを避けるためには、バランスの取れた食事と適切な運動量の管理が重要になります。
手術前の準備
避妊手術前には、麻酔や手術に関連するリスクを最小限に抑えるために、犬や猫の健康状態を正確に評価するための血液検査や健康診断が行われます。
また、麻酔中の吐き気や窒息のリスクを減少させるために、食事や水の制限を行う場合があります。
手術前の準備に関しては、獣医師から事前に詳しい説明がありますので、しっかりと確認するようにしましょう。
手術後の生活
手術後は静かな場所で休ませることが重要です。傷口の舐め噛みを防ぐために、エリザベスカラーや術後服の使用が必要な場合もあります。
災害時の同行避難における避妊手術の重要性
被災時に他のペットやその飼い主様とのトラブルにならないよう、マナーとして避妊手術を施しておくことをおすすめします。
実際、過去の災害時には、避難所でのペットに関するトラブルが報告されています。特に、去勢されていないオスと避妊手術を受けていないメスが一緒になった場合、妊娠に至るトラブルが発生することがあります。
また、発情期における犬や猫の鳴き声や行動が、避難所での生活において他の人々に影響を及ぼすことも考えられます。
これらの問題を予防するためにも、避妊手術は非常に有効です。
まとめ
避妊手術は、愛犬や愛猫と飼い主様の長期にわたる幸せと健康のために非常に重要です。手術にはメリットとリスクがありますが、適切な準備とケアによってリスクは管理できます。
愛犬や愛猫の健康に関する重要な決断をする際には、まずかかりつけ動物病院に相談し、愛犬や愛猫にとって飼い主様が良いと思う選択をしましょう。
避妊手術でお困りのことや不安なことがあれば、ぜひお気軽に当院までご相談ください。
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